今考えていること

みなさん、おはこんばんちは!
会場委員会副委員長の名古屋工業大学2年、山口裕太です!

2月も後半に差し掛かり、NAF2017中部卒業設計展までいよいよ1か月を切りました。いかがお過ごしでしょうか?
我が名工大は絶賛卒業設計期間中ですが、僕たち2年生は、まだテスト期間でもあります。テスト勉強と卒業設計のお手伝いに追われる日々です。

そんな中、先日、テストとお手伝いの合間を縫って、1-1Architectsの事務所へ行ってきました。

1-1Architectsは、石川翔一さんと神谷勇机さんの2人で共同主宰されている設計事務所で、NAF2017中部卒業設計展では、1日目に審査員としてお越しくださいます。
昨年の夏に少しお世話になったこともあり、今回は個人的に2年後期の設計課題の成果物を持ちこんで、講評していただきました。
普段の大学での講評会とはまた違った、鋭い指摘や意見をいただきました。大変刺激的で勉強になりました。
それと同時に、NAF2017中部卒業設計展での、1-1Architectsのお二人によるクリティークも楽しみになりました。
2日目の公開審査だけでなく、1日目のプレゼンテーションやポスターセッションにもぜひお越しください!

さて、ここからはNAFからは少し離れて、一人の建築学生として、今考えていることを書こうと思います。
2月の頭に、2年後期の設計課題がすべて終了しました。
まずは、初めて設計課題に取り組んだこの半年間を、振り返ってみようと思います。

第一課題は「21世紀建築美術館」
21世紀の建築を創発する美術館を設計せよという、抽象度が高くプログラムも割と自由な課題でした。
こいつはかなり悩みました。
3週目のエスキスですべて白紙に戻ったり、課題文の問いかけに対して自分なりの答えを出そうと考え込んで全然設計が進まないというような深みにはまってしまったりしました。
今思えば、初めての設計課題であるし、悩みすぎずもっと自分の好きなようにやればいいのにとも思いますが、ひたすら考え悩んだあの時間はとても密度が濃く有意義な時間だったと思います。
最終的には、21世紀の建築に対する問題意識を何とか建築形態に落とし込め、納得して終われたので良かったですが、今振り返れば、まだブラッシュアップの余地があるなと感じています。

第二課題は「地域交流センター」
第一課題とは打って変わって、対象敷地やその周辺地域に目を向け、課題を抽出し、それらの解決を目指すといういわゆる課題解決型のアプローチをとりました。
どういった建築が人々の交流を誘発するのかというテーマに対し、人の行為やアクティビティに注目して、設計を進めたのですが、形態操作をもっと施せば、より行為のきっかけに溢れた空間になったのではないかと反省している作品です。
アクティビティに注目することは、設計の大きなヒントになるので、今後もそういう視点を持っておきたいと思っています。

第三課題は、「大架構構造を用いたスポーツ施設または音楽ホール」
この課題は、3人一組でグループで設計を行いました。第二課題と同様の課題解決型のアプローチに加えて、この課題の主旨でもある、作りたい空間に対応した適切で合理的な架構構造を考えることにも重点を置きました。
初めてのグループでの設計で、同じグループの2人から学ぶことはとても多かったです。3人いれば、三者三様の意見が出るので、一人では気づかないことに気づけ、勉強になる課題でした。
「合理的かつ美しい構造」という観点から建築を見るという、新たな視点で取り組めた課題でした。

このように3つの課題をざっと振り返ってみると、毎度毎度の課題で、その時の自分の抱く興味関心が割とストレートに作品に表れているような気がします。
いろいろな建築家の講演会に足を運び、様々な建築観に触れたことが、その時その時の自分の興味関心を左右したように思います。
3つとも異なる作風になったのも、そういうことが理由だと思います。
しかし、裏を返せば、3つの課題を一貫する信念や意思のようなものは薄いと考えることもできます。
まだまだ、手探りで設計しているように感じます。
これからは、徐々に自分の建築観を確立させて行くことが大事になってくると思います。

僕の大好きな建築家である、安藤忠雄氏の自伝の中に、こんな言葉が出てきます。
「その場所に、その時代にしかできない建築。現実の都市をいかに考えているか、いかなる問題提起をしているか。重要なのは、建築の背後にある意志の強さだ。」(新潮社『建築家 安藤忠雄』より)

僕の作品からは、まだまだ意志の強さが感じられないと思います。
3年生の設計課題や、卒業設計では、建築というものをどう考えているのかが問われてきます。
そのために、まずは、多くの本を読み、様々な建築に触れ、それに対し自分はどういう考えを持つのかが重要だと思います。
本を読んで内容を理解するだとか、建築を見て感動するというだけでなく、それらに対し自分はどういう意見を持つのか。
それらの積み重ねで、徐々に自分の意思がより強く、より明確になり、自分の建築観が確立されていくのではないかと思います。
そういった自分の意見を、周りの同じ建築学生とぶつけ合い、議論しながら、切磋琢磨し合って、これからも設計課題に取り組もうと考えます。

皆さんもぜひ、今年度の設計課題を振り返り、今一度自分の建築観と向き合ってみてください。きっと新たな発見や課題が見えてくると思います。